歯ブラシ交換の目安

毎月歯ブラシを交換する習慣を広めていくことを目的として、ライオン株式会社さんが制定した記念日です。歯ブラシの交換時期といっても、どのタイミングで交換すればいいのか??なかなか分かりづらいですよね
「毛先が開いてきたら…」といっても、人それぞれ感じ方は違います。

1つの目安としては、歯ブラシを裏から見て毛先がはみ出しているかどうか?少しでもはみ出していたら、使用期間に関わらず早めに交換しましょう。

もう1つ、ブラッシングの回数、磨く時間、磨く強さによって変わってきますが、1ヶ月に最低1回歯ブラシを変えることを目安としましょう!!
毛先の開いた歯ブラシでは、歯垢をきれいに除去することはできません。わずかな毛の開きでも新しいブラシと比較すると汚れを落とす力が2割ほど低下していました。

1ヶ月の中で日にちを決めて歯ブラシを交換するのも一つです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


入れ歯のお手入れ・安定剤について

・入れ歯のお手入れについて・

誰でも毎日歯磨きするように、入れ歯も毎日のお手入れが大切です。では、あなたのお手入れは間違っていませんか?

食べた後の食器を洗剤につけるだけではダメなのと同様に、入れ歯を洗浄剤につけるだけでは不十分です。入れ歯には食べ物の汚れに加え、口の中にいる細菌や唾液の成分が混ざり合い、食器以上に頑固な汚れがついています。それを取り除くには、入れ歯専用ブラシによる手洗いと、入れ歯洗浄剤による除菌が必要です。

まず、入れ歯専用ブラシによる手洗いは、流水もしくは入れ歯用の磨き剤で洗います。その際、目に見える汚れがなくなるまで洗いますが、高齢で視力を不安がある方は、指触りでヌメヌメ感がなくキュキュッとする感じを目安に磨き、手元に不安がある方は、家庭用超音波洗浄機に数分つけるのもおすすめです。

次に、入れ歯洗浄剤による除菌です。これは目に見えない細菌を取り除くことが目的ですので、見える汚れを取り除いた後に使用します。

また、唾液の減少による口腔乾燥症入れ歯の汚れを助長し、さらに入れ歯の安定を悪くして痛みを起こしやすくする為ジェルタイプの保湿剤などを使用するとそう言った不具合を改善してくれます。

このように、ご家庭でのお手入れは、入れ歯を長持ちさせるだけでなく、お口全体の清潔や残っている歯の健康維持、口臭予防、に絶大な効果を発揮します。

・入れ歯安定剤について・

入れ歯を作製しお渡しする際のご説明で、患者さんからよく、「入れ歯の安定剤を買わないと使えませんよね??」と質問されることがあります。

近頃、スーパーやドラッグストアで入れ歯安定剤が簡単に手に入るようになり、歯科医院に通わずに入れ歯安定剤を使用する方も大勢いらっしゃると思います。
また、歯科医師の指導がないままだと、不適切に使用してしまっている場合もあるんです。

もちろん緊急を要する場合や、病気などで歯科医院に通うことができない場合もあるため、絶対に使用してはいけないというわけではありません。

歯科医院や歯科医師としては、入れ歯は合わなくなった場合は調整もしくは新たに入れ歯を作製することをお勧めしますが、歯科医院にかかることができない場合や、入れ歯の修理や不安定な場合などの短期間のみ、使用していただくこともあります。

入れ歯が合わなくなる理由は、長期間の使用で入れ歯の歯の部分がすり減ってきている場合や、歯茎が痩せた場合などです。
歯がすり減っている場合は、入れ歯安定剤を使用しても特に効果はありません。
使用方法によっては、入れ歯の破損や歯茎がさらに痩せてしまうこともあります。

入れ歯が合わなくなってきたな、、、、と思ったら、まず歯科医師へ相談してみてください!!
入れ歯安定剤を使用する際も、歯科医師の指示のもとで行われることをお勧めします。


歯ぎしりについて

みなさん、一緒に寝ている人から歯ぎしりを指摘されたことはありませんか?
実は私もその1人…
指摘されたことがある方は『癖だから仕方がない』『寝ている間だから防ぎようがない』なんて思っていませんか?
確かに歯ぎしりは癖であると言われてはいますが、睡眠医学的には睡眠的ブラキシズムという病気として捉えられています。
そのままにしているとお口の中のトラブルだけでなく、顎関節症・肩凝り・頭痛etc…様々な症状を引き起こす恐れがあります。

ではここで、歯ぎしりを指摘されたことがある方もない方も1度チェックしてみましょう!!
ある程度の判断ができますよ♪

・歯ぎしりをしていると誰かに指摘されたことがある
・頭痛や肩凝りが酷い
・緊張しているときや何かに集中しているときに、歯や唇をグッと噛み締めていることが多い
・歯が多く擦り減っている
・ストレスを溜め込みやすい
・頬の内側に白い筋や舌の近くに歯形がついている
・事故やケガ以外で歯が欠けたり割れたりしたことがある

3つ以上当てはまる方はほぼ確実に歯ぎしりをされており、早めに改善する必要があります。

歯ぎしりには3つ種類があります。

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✧*グラインディング✧*
3つの中で1番多く見れる症状で、寝ているときに下顎が素早く動き歯を擦り合わせることでギリギリと音を出します。
クラインディングは歯だけではなく、歯茎に対しても影響が大きく、肩凝りや頭痛の原因にもなります。

✧*タッピング✧*
上の歯と下の歯をぶつけ合わせ、カチカチと音を立てる症状をいいます。
軽くカチカチする方もいれば、強く歯をぶつける方もおられます。

✧*クレンチング✧*
就寝時だけではなく起きている時も歯をギュッと食い縛る症状をいいます。
無意識のうちに引き起こされるのは3つ全て共通ですが、これは音を立てないのが特徴です。
ストレスによって、顎の筋肉が緊張してしまうことが原因として挙げられます。

歯ぎしりが起こるムカニズムは未だ解明されておらず、今のところ完治させる方法は見つかっていません。
しかしマウスピースを就寝時に装着することにより、歯ぎしりによる歯の擦り減りやストレスを軽減することができます。
装着したからといって完全に改善されるわけではなく、あくまでも歯や顎への負担を少なくするためのものです。
使い始めの頃は装着したまま寝ることに違和感を感じ、無意識のうちに外してしまう可能性がありますが、何度か調整を行うことによりある程度は解消されますが、基本的には慣れていただく必要があります。

費用は健康保険が適用され¥3,500.-程です。

誰かに指摘されないとなかなか気づかない歯ぎしり。
是非、歯ぎしりチェックをしてみてください!


あまりしたくない麻酔について

『過去に麻酔が効かなくて大変苦労した』という方はいらっしゃいませんか?
いろいろな原因により効きにくいことがあります。

・炎症が強い
・歯の周囲に膿が溜まっている
・下の奥歯辺りに麻酔をする

上記が主に効きにくい原因です。
炎症は強ければ強いほど効きにくく、膿は麻酔の効果を弱めてしまいます。 また下の奥歯が生えている周りの骨は他の部分より固く、密度が高いため麻酔液が浸透しにくいので、結果なかなか効かないというわけです。
そのような時は麻酔液の量を増やして様子をみたり、それでも効きそうになければ投薬を行い後日改めて治療を行ったりします。

ところで同じ麻酔でも「効きやすい場所」「効きにくい場所」があるのをご存じですか?
これは歯を支えている「骨の硬さ・密度」によるものなのです!
同じ上あご・下あごでも場所によって効き方が違います(●^o^●)d
上の歯や下の前歯周辺の骨は比較的薄く、下の奥歯は分厚いので麻酔液が浸透しにくいのです。
よって、一般的に上の前歯>上の奥歯>下の前歯>下の奥歯の順で麻酔が効きやすくなっています。

虫歯など酷くなる前に治療を行えば麻酔が効きにくいことはありません。
非常に稀ではありますが、体質的に上の前歯でも麻酔が効きにくく、すぐに効果が切れてしまう方もいらっしゃいますので、その時はすぐに教えてくださいね(*^^*)
しかし多くは痛みを限界まで我慢してしまった場合に起こるので、定期的に健診を受けたり「何かおかしいな?」と思ったらすぐに受診するようにして下さい!
そうすれば治療も短期間で済みますよ(*^^)v♬


噛みしめ癖

お口の中を見ると、舌の縁に歯の型がついていたり、頬の内側にスジがついていたりしませんか?

これは上下の歯が接しているところに、舌や頬などの柔らかい粘膜が歯に押し当てられてついた跡です。
これがあると、その人は歯を噛みしめる癖を持っていることが分かります。

安静にしているときには上下の歯は当たっていない、つまり噛んでいないのが普通なので、この粘膜に押し当てられた跡はない方がよいのです。

食事の時と荷物を持つなど身体に力をいれるときには、奥歯でくいしばるために上下の歯は当たりますが、それ以外は前歯で1、2ミリの隙間があり、安静空隙といわれています。

最近はスマホを見るという時間が多くその体勢、下を向き無意識に噛みしめているということがあるとおもいます。

噛みしめ癖により歯を噛んでいる時間が長くなると、歯が欠ける、詰め物がはずれる、歯がぐらぐらする、歯が痛い、などの歯の症状が出ることがあります。
ひどくなれば顎がカクカクいう、顎が痛い、口が開かないなどの顎関節症の症状も出る場合があります。また顎を閉じる筋肉を酷使することになり、肩こりや頭痛が生じることもあります。

対処法として、上下の歯を当てないと意識し、気がついたときに歯を浮かすようにしましょう。また舌の先が下の前歯の根元あたりにあると、無意識のうちに上下の歯同士が当たってしまいます。舌の位置は上の歯についているのが望ましいです。
唇を閉じて、舌を上の歯につけて、鼻で息をすると、自然に安静位がとれます。

1度、お口の中を鏡で確認してみてください。
舌や頬などに跡がついていないですか?
何気ないときに歯と歯が当たっていないか、注意してみてください。


歯肉増殖症について

 

歯肉増殖症(しにくぞうしょくしょう)とは、歯肉が肥大したり増えたりする、異常な過形成のことをいいます。原因はさまざまですが、大きく次のように分類されます。

◆単純性歯肉増殖症
単純性歯肉増殖症は、歯肉組織が増殖したことにより起こるものです。口呼吸などによる歯茎への刺激からこの症状が出ることがあります。

原因・・・多くは口呼吸やお口の中の汚れのコントロール不足が原因と考えられます。

◆歯肉線維種症
歯肉の発育異常によって起こる症状で、非常に稀な病気です。
乳歯が生えるとともに、または思春期に発病します。
歯肉の表面は平らで、色も正常と同じピンク色か白色で、歯肉はやや硬い程度に感じられます。重症化し歯肉が増えてくるとだんだん歯を覆い隠すようになります。

原因・・・遺伝性歯肉線維腫症と突発性歯肉線維腫症に分類されますが、歯が生えると同時に発症したり、悪化したりすることも多く、何らかの刺激が原因ではないかとされていたり、他にもさまざまな報告があるため、多くは原因不明です。
ただ、口腔環境が良くない方ほど、歯肉の増殖が顕著になる傾向があります。

◆薬剤性歯肉増殖症
ある種の薬剤を服用している方に見られることがある歯肉増殖症で、抗てんかん薬のフェニトイン、免疫抑制剤のシクロスポリン、高血圧や狭心症の治療に用いられるカルシウム拮抗薬のニフェジピンなどが誘発しやすい薬剤として主にあげられますが、歯肉増殖に原因になる可能性がある薬剤はこれ以外にも200種類以上あるとされています。発症する割合は、フェニトインが約50%、シクロスポリンが約30%、ニフェジピンが約15%程度とされています。

原因・・・それぞれの薬剤の作用の影響や、これも口腔内の汚れのコントロール不足が原因です。

 

歯肉増殖症は、口元の審美性が悪くなることももちろんですが、ブラッシングがしづらくなったり、口腔清掃にも影響を及ぼします。
治療法は、まず徹底したプラークコントロールの改善が不可欠です。
そのほか、歯科でのクリーニング、状態により歯肉切除などの歯周外科処置を行います。
薬剤性歯肉増殖症は、薬剤の服用を中止することもありますが難しい場合もあるため、やはり口腔清掃状態をきれいに保つことが大切です。

 


歯周病と予防

歯周病とは歯を支える歯茎(歯肉)や骨(歯槽骨)が壊れていく病気です。最後には歯が抜け落ちてしまいます。

原因は細菌性プラークが挙げられます。

歯周病の予防のためには、デンタルプラーク(歯垢)を確実に取り除くことが大切です。

デンタルプラークが取り除きにくいところは歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ、歯磨き剤などを総合的に利用することが必要です。

殺菌成分でよく配合されているものにはIPMP(イソプロピルメチルフェノール)やCPC(塩化ビリジニウム)があります。

歯茎の腫れや出血でよく配合されているものにはトラネキサム酸やグリチルレチン酸があります。

歯磨き剤は歯周ポケット奥に潜む歯周病菌を殺菌する成分や、歯茎の腫れを抑える成分が含まれているものを選びましょう。

 

 

 


鼻呼吸の大切さについて

近ごろ、お口がポカンと開いている子供や若者が多いことに気づかれていますか?そのほとんどは、口で呼吸をしている「口呼吸」の人です。

本来、老若男女問わず人間の構造上、鼻から呼吸するようにできています。鼻から息を吸うことで鼻の繊毛や粘液でウイルスや汚染物質の侵入を防いだり、鼻で空気を吸うことで空気が体温近くまで温められたりしますが、口呼吸では冷たい外気のまま肺に届き、肺の免疫力が低下し、肺にかかる負担が増えて風邪を引きやすくなることがあります。せっかく加湿器や空気清浄機を部屋に備えていても、口呼吸をしていると口、気道、肺が乾燥し、その効力が薄れてしまいます。

また、鼻呼吸は口の中の唾液の分泌を促します。唾液の中には、ウイルスの活性化や感染力を抑制する物質が存在します。しかし、口呼吸で口の中が乾燥すると口の中や喉の奥にいる細菌が増殖し、それから出る酵素がウイルスを活性化させ、口臭や虫歯、歯周病に感染するリスクが高まります。

人は生まれてから、母乳を吸うことで鼻呼吸を覚えると言われています。しかし、離乳時期が早いこと、食べ物がやわらかくなったこと、指吸やアレルギー等が原因で口呼吸が始まると言われています。さらに幼少期から口を開けている時間が長いと、口周りの筋肉が弱くなるため歯並びが悪くなったり、上下の噛み合わせが開くようになったりします。さらに、口呼吸のまま成人すると、睡眠時無呼吸症候群になるなど、全身的な病気の心配も出てきます。

そうならない為には、お口周りのリハビリテーションが必要になります。ご家庭でも簡単にできる方法としては「あいうべ体操」があります。

・あいうべ体操・

1.「あー」と口を大きく開ける

2.「いー」と口を大きく横に広げる

3.「うー」と口を強く前に突き出す

4.「べー」と舌を突き出して下に伸ばす

1~4を1セットとし1日30セットを目安に行います。喋る時よりお口をしっかり大きく動かすことが必要で、最初は2、3度に分けた方が続けやすいです、入浴中に行うのをオススメします。体操をすることによって、舌や口の周りの筋肉を強化することができ、年齢を問わず鼻呼吸をして健康管理ができるとこが期待できます。

口呼吸の心配がある方はもちろん体操のやり方に興味がある方は、気軽にご相談下さい。


ホワイトニングいろいろ

今回は、歯を白くする歯科治療の1つ『ホワイトイング』についてお話します。

ホワイトニングは広く知られてくるようになるにつれて、その言葉の持つ意味も拡大しているようです。
少し整理してみると下記のようになります。

*歯科医院で(医療機関で行う医療行為)*
①オフィスホワイトニング→歯科医師または歯科衛生士が歯科医院で行う
②ホームホワイトニング→歯科医師または歯科衛生士の指導のもと自宅で行う
③ウォーキングブリーチ→歯科医師が歯科医院で行う
④クリーニング→歯科医師または歯科衛生士が歯科医院で行う
*自宅で*
⑤歯磨剤で歯についたステイン(着色)を取る
*店舗(医療行為ではない)*
⑥セルフホワイトニング→歯面に白く見える素材を追加する

まず、本来のホワイトニングは医療行為で、薬剤を使用し元の歯の色調より白くするという処置です
歯の表面に過酸化水素・過酸化尿素などの薬剤を塗布し、その薬剤が歯に微量に含まれている色素を分解することで、歯そのものの色が調整できます。
反応を促すために光やレーザーを当てる場合もあります。
これには①オフィスホワイトニングと②ホームホワイトニングがあります。

①オフィスホワイトニングは、薬剤が歯茎につかないよう保護をしてから薬剤を塗布し光やレーザーを当てる処置を数回繰り返し、色調を調整しながら行います。
オフィスホワイトニングは歯の表面を白くするので、短期間で白くしたい方にオススメです!
1回である程度の白さを実感でき、平均2〜3トーンUPします!
しかし、持続性はホームホワイトニングより色戻りが早いといわれています。
②ホームホワイトニングは、ホワイトニングキットを持ち帰り、薬剤をあらかじめ歯型をとって作っておいたマウスピースに入れて行います。
叢生(歯が部分的に重なっている状態)やエナメル質の透明度が高い方、自分の好きなタイミングで行いたい方にオススメです!
じっくり時間をかけて歯の内面を白くしていくため、2〜4週間で白さを実感できます。
平均2週間で1〜2トーンUPします!
色戻りはオフィスホワイトニングよりは遅いといわれています。
※上記はあくまでも一般的なお話であり、その方の歯の質によって効果は異なります※

どんな治療法でも同じですが、状況や症状に合わせてできる場合とできない場合があります。
①と②の方法は歯髄(歯の神経)がある歯に対して治療が可能で、歯髄のない歯には効果がありません。
また白い被せ物・部分的に詰めているプラスチックの変色にも効果がありません。
歯髄のないだけに行うのが③ウォーキングブリーチです。
歯の神経を抜いた歯は、長期間で少しずつ黒ずみ、変色してくることがあります。
変色した歯の内部にブリーチ用の薬剤を入れて変色を和らげる、1本ずつの歯を対象にしたホワイトニングです。

近年⑥セルフホワイトニングを行える店舗やサロンが増えてきました。
ここで使用する薬剤は歯科医院で使用する薬剤とは異なり、歯の表面に付いた汚れを落とすことしかできず、歯の色そのものを白くする作用はありません

『ホワイトニング』という言葉1つで、これだけのものがあります。
歯を白くしたいとお考えの方の判断材料として今回のお話が役立てばいいな、と思います☺️


歯を磨くと出血する原因は?

歯磨きの際に歯ぐきから出血することがあるでしょうか。

出血の主な原因は歯ぐきの炎症です。

歯肉炎とか歯周炎といわれる疾患に陥った歯ぐきにブラッシングなどの刺激が加わると、比較的簡単に出血してしまいます。重度な歯肉炎や歯周炎になり歯ぐきの状態が悪くなると、刺激が加わらなくても出血するこどがあります。

出血してしまうと恐怖心からブラッシングをしなくなってしまったり、うがい薬だけですませたりということになる方もおられます。

そうなると、ますます歯ぐきの状態は悪化してしまいます。

出血の度合いにもよりますが、ブラッシング後早くに血が止まるということであれば、正しい方法でブラッシングすれば歯ぐきの状態が改善し、出血を減らしていくことが可能であると考えられます。

歯ブラシの種類をそのような歯ぐきに対応した柔らかいものにしますと歯ぐきのマッサージ効果も得られ清掃することができますので有効です。

その際、最初はある程度の出血があると思われますが、ブラッシングを継続していきますと出血の量が少なくなってくるはずです。

改善しなければ歯科医院を受診してください。

歯ぐきの状態が改善していけば歯ブラシの毛の硬さを少し硬いものに変えていくことで歯面の汚れを落とす効率があがります。

最終的に普通にブラッシングする程度では出血しないようになるのが理想的ですが、

なかなか困難であることに間違いありません。

定期検診で歯周病予防してみませんか?

定期検診ですることは、歯磨きがしっかりできているか、新たな虫歯ができていないか、歯周病が進行していないか、など色々あります。

中でも、成人の8割がかかっているといわれる歯周病の定期検診の重要性についてお話します。

まず、歯周病とは、歯垢の中の歯周病原菌が歯ぐきに炎症を起こし、徐々に歯の周りの組織を破壊していく細菌感染症です。

痛みなどの自覚症状がなく進行することが多いので、サイレント・ディジーズ(静かに進行する病気)と呼ばれ、症状が進行すると歯を支えている骨を溶かし、やがて歯が抜けてしまう原因になります。

次に、歯周病は単に口の中だけの病気ではなく、全身の病気と関係していることが注目されるようになっています。

例えば、メタボリックシンドロームの要因の一つである肥満の方は脂肪細胞から次々と炎症物質が放出され、

それが歯ぐきの炎症を引き起こし、歯周病の発症や進行と関係するのではないかと考えられています。

また、糖尿病の方は歯周病にかかっている割合が高く、重症化しやすいことがわかっています。

同様に、歯周病のある人はない人に比べて心疾患を発症するリスクが高いと言われていますし、

歯周病菌は肺炎の原因となるものが多いので、

高齢、認知症など食物の飲み込みを上手くできない人は、特に注意が必要です。

このように、全身の病気の引き金になりますので

4ヶ月から半年に一度定期的に歯周病に関連した検査を受け歯磨きの状態をチェックし、

歯石や歯垢の除去など専門的なケアを受けることが重要です。