日別アーカイブ: 2023年11月18日

歯肉増殖症について

 

歯肉増殖症(しにくぞうしょくしょう)とは、歯肉が肥大したり増えたりする、異常な過形成のことをいいます。原因はさまざまですが、大きく次のように分類されます。

◆単純性歯肉増殖症
単純性歯肉増殖症は、歯肉組織が増殖したことにより起こるものです。口呼吸などによる歯茎への刺激からこの症状が出ることがあります。

原因・・・多くは口呼吸やお口の中の汚れのコントロール不足が原因と考えられます。

◆歯肉線維種症
歯肉の発育異常によって起こる症状で、非常に稀な病気です。
乳歯が生えるとともに、または思春期に発病します。
歯肉の表面は平らで、色も正常と同じピンク色か白色で、歯肉はやや硬い程度に感じられます。重症化し歯肉が増えてくるとだんだん歯を覆い隠すようになります。

原因・・・遺伝性歯肉線維腫症と突発性歯肉線維腫症に分類されますが、歯が生えると同時に発症したり、悪化したりすることも多く、何らかの刺激が原因ではないかとされていたり、他にもさまざまな報告があるため、多くは原因不明です。
ただ、口腔環境が良くない方ほど、歯肉の増殖が顕著になる傾向があります。

◆薬剤性歯肉増殖症
ある種の薬剤を服用している方に見られることがある歯肉増殖症で、抗てんかん薬のフェニトイン、免疫抑制剤のシクロスポリン、高血圧や狭心症の治療に用いられるカルシウム拮抗薬のニフェジピンなどが誘発しやすい薬剤として主にあげられますが、歯肉増殖に原因になる可能性がある薬剤はこれ以外にも200種類以上あるとされています。発症する割合は、フェニトインが約50%、シクロスポリンが約30%、ニフェジピンが約15%程度とされています。

原因・・・それぞれの薬剤の作用の影響や、これも口腔内の汚れのコントロール不足が原因です。

 

歯肉増殖症は、口元の審美性が悪くなることももちろんですが、ブラッシングがしづらくなったり、口腔清掃にも影響を及ぼします。
治療法は、まず徹底したプラークコントロールの改善が不可欠です。
そのほか、歯科でのクリーニング、状態により歯肉切除などの歯周外科処置を行います。
薬剤性歯肉増殖症は、薬剤の服用を中止することもありますが難しい場合もあるため、やはり口腔清掃状態をきれいに保つことが大切です。