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ホワイトニングいろいろ

今回は、歯を白くする歯科治療の1つ『ホワイトイング』についてお話します。

ホワイトニングは広く知られてくるようになるにつれて、その言葉の持つ意味も拡大しているようです。
少し整理してみると下記のようになります。

*歯科医院で(医療機関で行う医療行為)*
①オフィスホワイトニング→歯科医師または歯科衛生士が歯科医院で行う
②ホームホワイトニング→歯科医師または歯科衛生士の指導のもと自宅で行う
③ウォーキングブリーチ→歯科医師が歯科医院で行う
④クリーニング→歯科医師または歯科衛生士が歯科医院で行う
*自宅で*
⑤歯磨剤で歯についたステイン(着色)を取る
*店舗(医療行為ではない)*
⑥セルフホワイトニング→歯面に白く見える素材を追加する

まず、本来のホワイトニングは医療行為で、薬剤を使用し元の歯の色調より白くするという処置です
歯の表面に過酸化水素・過酸化尿素などの薬剤を塗布し、その薬剤が歯に微量に含まれている色素を分解することで、歯そのものの色が調整できます。
反応を促すために光やレーザーを当てる場合もあります。
これには①オフィスホワイトニングと②ホームホワイトニングがあります。

①オフィスホワイトニングは、薬剤が歯茎につかないよう保護をしてから薬剤を塗布し光やレーザーを当てる処置を数回繰り返し、色調を調整しながら行います。
オフィスホワイトニングは歯の表面を白くするので、短期間で白くしたい方にオススメです!
1回である程度の白さを実感でき、平均2〜3トーンUPします!
しかし、持続性はホームホワイトニングより色戻りが早いといわれています。
②ホームホワイトニングは、ホワイトニングキットを持ち帰り、薬剤をあらかじめ歯型をとって作っておいたマウスピースに入れて行います。
叢生(歯が部分的に重なっている状態)やエナメル質の透明度が高い方、自分の好きなタイミングで行いたい方にオススメです!
じっくり時間をかけて歯の内面を白くしていくため、2〜4週間で白さを実感できます。
平均2週間で1〜2トーンUPします!
色戻りはオフィスホワイトニングよりは遅いといわれています。
※上記はあくまでも一般的なお話であり、その方の歯の質によって効果は異なります※

どんな治療法でも同じですが、状況や症状に合わせてできる場合とできない場合があります。
①と②の方法は歯髄(歯の神経)がある歯に対して治療が可能で、歯髄のない歯には効果がありません。
また白い被せ物・部分的に詰めているプラスチックの変色にも効果がありません。
歯髄のないだけに行うのが③ウォーキングブリーチです。
歯の神経を抜いた歯は、長期間で少しずつ黒ずみ、変色してくることがあります。
変色した歯の内部にブリーチ用の薬剤を入れて変色を和らげる、1本ずつの歯を対象にしたホワイトニングです。

近年⑥セルフホワイトニングを行える店舗やサロンが増えてきました。
ここで使用する薬剤は歯科医院で使用する薬剤とは異なり、歯の表面に付いた汚れを落とすことしかできず、歯の色そのものを白くする作用はありません

『ホワイトニング』という言葉1つで、これだけのものがあります。
歯を白くしたいとお考えの方の判断材料として今回のお話が役立てばいいな、と思います☺️


歯を磨くと出血する原因は?

歯磨きの際に歯ぐきから出血することがあるでしょうか。

出血の主な原因は歯ぐきの炎症です。

歯肉炎とか歯周炎といわれる疾患に陥った歯ぐきにブラッシングなどの刺激が加わると、比較的簡単に出血してしまいます。重度な歯肉炎や歯周炎になり歯ぐきの状態が悪くなると、刺激が加わらなくても出血するこどがあります。

出血してしまうと恐怖心からブラッシングをしなくなってしまったり、うがい薬だけですませたりということになる方もおられます。

そうなると、ますます歯ぐきの状態は悪化してしまいます。

出血の度合いにもよりますが、ブラッシング後早くに血が止まるということであれば、正しい方法でブラッシングすれば歯ぐきの状態が改善し、出血を減らしていくことが可能であると考えられます。

歯ブラシの種類をそのような歯ぐきに対応した柔らかいものにしますと歯ぐきのマッサージ効果も得られ清掃することができますので有効です。

その際、最初はある程度の出血があると思われますが、ブラッシングを継続していきますと出血の量が少なくなってくるはずです。

改善しなければ歯科医院を受診してください。

歯ぐきの状態が改善していけば歯ブラシの毛の硬さを少し硬いものに変えていくことで歯面の汚れを落とす効率があがります。

最終的に普通にブラッシングする程度では出血しないようになるのが理想的ですが、

なかなか困難であることに間違いありません。

定期検診で歯周病予防してみませんか?

定期検診ですることは、歯磨きがしっかりできているか、新たな虫歯ができていないか、歯周病が進行していないか、など色々あります。

中でも、成人の8割がかかっているといわれる歯周病の定期検診の重要性についてお話します。

まず、歯周病とは、歯垢の中の歯周病原菌が歯ぐきに炎症を起こし、徐々に歯の周りの組織を破壊していく細菌感染症です。

痛みなどの自覚症状がなく進行することが多いので、サイレント・ディジーズ(静かに進行する病気)と呼ばれ、症状が進行すると歯を支えている骨を溶かし、やがて歯が抜けてしまう原因になります。

次に、歯周病は単に口の中だけの病気ではなく、全身の病気と関係していることが注目されるようになっています。

例えば、メタボリックシンドロームの要因の一つである肥満の方は脂肪細胞から次々と炎症物質が放出され、

それが歯ぐきの炎症を引き起こし、歯周病の発症や進行と関係するのではないかと考えられています。

また、糖尿病の方は歯周病にかかっている割合が高く、重症化しやすいことがわかっています。

同様に、歯周病のある人はない人に比べて心疾患を発症するリスクが高いと言われていますし、

歯周病菌は肺炎の原因となるものが多いので、

高齢、認知症など食物の飲み込みを上手くできない人は、特に注意が必要です。

このように、全身の病気の引き金になりますので

4ヶ月から半年に一度定期的に歯周病に関連した検査を受け歯磨きの状態をチェックし、

歯石や歯垢の除去など専門的なケアを受けることが重要です。


歯はなぜ割れるのでしょう?

正常な歯でも、構造上の欠陥として小さなヒビをたくさんもっています。
しかし、これは歯の健康にとっては障害とはならず、やはり原因の大部分は外から加わる力ということになります。

当たったり、ぶつかったりという大きな衝撃力は、それだけで歯が割れる原因となります。これと同時に注意が必要なのは、氷やアメなどを噛み潰すときの「ガリッ」という力です。

食事や歯ぎしりなど、普通の日常で歯を噛み合わせるような小さな力でも、繰り返しかかる力はヒビや亀裂の原因となります。
人工的に作る被せ物(冠)や詰め物も、相手の歯との当たり方を適正に考慮したものでないとわれる危険度が高まります。

注目したいのは、神経の生きてる歯の方がヒビや亀裂は入りにくく、それに比較して神経を取ってしまった歯は、その後の経過時間が長くなるにしたがって割れる危険度がより高くなります。

一般に神経と言っている歯髄は、歯の根の先から中心にある管の中に入っている血管や神経、その他の組織のことを言っています。
これらの組織は歯に栄養を送る働きがありますが、それを取ってしまうということは、歯に栄養を送ることができなくなり、歯が死んでしまうことを意味します。
死んでしまった歯は神経のある歯に比較して、植物にたとえるなら枯れ葉のようにもろくなってしまいます。

したがって、神経を取ってから長く経過した歯は、根自体が弱くなってしまいますし、虫歯はを放置しておいたり、根の治療を放置して健全な歯の部分が少なくなった歯に、耐えられない過度な力が加われば、どうしても歯は割れてしまいます。
ブリッジや場合によっては部分入れ歯を入れている状態では、さらに大きな力がかかりやすく、割れる危険度が高くなることもあります。

また、もともと噛む力が強い人や歯ぎしりなどをする人は、想像できないほどの大きな力がかかり、特に奥歯では割れる危険度はかなり高くなります。
歯が割れる原因は、歯にかかる過大な力およびその繰り返しと歯、特に根の強度の低下が限界に達したことによると考えられます。

虫歯を進行させないためにも、早期発見、早期治療しましょう。
定期検診を受けるように心がけましょう。