月別アーカイブ: 2023年5月

意外と知られていない歯科技工士🦷✨

突然ですが、皆さんは歯科医院には歯科医師以外にどんな人がいて、その人がどのような仕事をしているかご存知ですか?
歯科医院のような口の中に携わる医療現場には、それぞれの役割をもつ医療従事者がいます。
歯の治療をする「歯科医師」
歯周病予防の「歯科衛生士」
診療をサポートしてくれる「歯科助手」
被せ物・入れ歯を製作する「歯科技工士」
このように歯科医療のなかで各専門家がそれぞれのポジションで役割を担っています。
スポーツでいうと、ポジションが大事なサッカーや野球と同じように、歯科医院でもチームメンバーがひとりでも欠けてしまうと、適切な歯科医療として成り立ちません。
そしてこのなかでも意外と知られていないポジションが「歯科技工士」です。
皆さんは歯科技工士という職業があるのはご存知でしたか?

虫歯や歯周病・事故などで歯を一度失うと、同じものが自然に再生されることはありません。
そのため「補綴物(ほてつぶつ)」と呼ばれる、歯の被せもの、詰めもの、入れ歯などが必要になります。
そこで活躍するのが「歯科技工士」です!
歯科技工士は一般の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、歯科医療の一端を担う医療技術専門職で国家資格が必要です。
歯科医師の指示をもとに、患者さんの治療に必要な被せものや詰めもの、歯を失ったときに必要な入れ歯、歯並びを治すときに使う矯正装置などを作製します。
その多くは指の先ほどのとても小さなもの!
患者さんのお口の中を型取りした石膏模型を使って、ひとつひとつ丁寧に作り上げていきます。
ひとの歯は十人十色🎨
それぞれ形や大きさが違うので、すべてがオリジナルです✨
これらを作るには高度な精密技工技術とともに、患者さんごとに異なる歯の色や形を把握する繊細な審美感覚が求められます。
よって、治療した患者さんの口に入っている詰め物や被せ物、入れ歯のほとんどは歯科技工士が患者さんのためだけに作ったオーダーメイド作品なんですよ♪

生まれつき、または病気や事故によって失われた顔や体の一部を、人工の材料を使って形態などを補う「エピテーゼ」も歯科技工士が作製しています。
保険適用されるエピテーゼの製作には義肢装具士があたりますが、製作方法や使用材料、器材は歯科技工作業と共通しているものが多いため、保険適用されないエピテーゼの製作には歯科技工士も活躍しています。

歯科技工士は患者さんの前にはあまり登場しないポジションのため、ご存知ない方が多いようですが、実は「縁の下の力持ち」なんです!
これを機に、歯科技工士の存在を知ってくださいね(*^^*)


歯が痛い

虫歯は、細菌の作る酸によって歯が溶ける病気ですが、細菌は酸ばかりでなく毒素も作ります。
その有害物質が神経に影響を及ぼして炎症が起こります。
初期の段階では知覚過敏と同様に、以前はしみなかった刺激に対してしみるようになり、さらに神経が破壊され始めると、なにもしなくても痛みを生じ、神経の中で腫れがおこりますが、歯がふくれることはないため中の圧力が上昇し、鼓動のような激しい痛みとなります。
この状態では温度が上がる(熱い物が口に入る) と圧力は増加するため痛みは激しくなり、逆に冷える(冷たい物が口に入る) と圧が下がるため痛みは減少します。
神経が破壊されると、根の先に血管や神経の出入りしている孔があり、そこを通して破壊が根の先端の骨に及ぶと、歯を噛み合わせたり、おさえたりするだけで、その部分が圧迫され痛みを生じます。
さらにそこに膿がたまると根の先端部分の歯茎が腫れたり、そこから膿が出てきます。

ですが、歯が痛むときは虫歯だけではないのです。

歯の痛みにも
①冷たい物や温かい物で痛む

②何もしなくても痛む

③噛むと痛む

など痛みを感じる状態によって原因も異なります。

①の症状は、神経が生きていてエナメル質(1番外側の歯質)が削れて、象牙質(エナメル質の次の歯質)が露出している状態で起こるため、虫歯以外でも歯ブラシや噛み合わせが強くエナメル質が削れたり、亀裂や破折、詰め物が欠けた場合にも認められます。

②の症状は、神経が死にかけている場合に起こることが多く、虫歯以外の原因として、知覚過敏のダメージが大きい、亀裂が神経まで達している、歯周病が進行し細菌が根の先の穴から神経に感染することもあります。
歯以外では歯茎の炎症や傷の痛みが強い場合は歯が痛いように感じることもあります。

③の症状は、歯を支える骨や歯茎に問題がある場合で、虫歯のほかに歯周病で歯の周囲に炎症がおこっていたり、歯を支える骨が減少し噛む力に耐えられない場合、歯が破折しているなどがあります。
また、歯を支える歯周組織が健康でも、過度にその歯に強い力が加わると(歯ぎしり、くいしばり)などもその負担に耐えられなくなり、痛みを感じる場合もあります。

お口の中の異変は、すぐには気付きにくいものです。
痛みが出たときには、虫歯や歯周病がかなり進行していたりということもあります。
定期的に歯科健診を受け、早期発見、早期治療しましょう。


抜歯後のよくある症状と注意・対応

 

抜歯後の出血が止まらない
抜歯後に少量の出血があるのは、特に問題ありません。しかし、いつまでも出血が続く場合は、局所的・全身的な原因によるものがあります。
局所的な原因・・・歯の周りの粘膜の損傷、歯の周囲骨の骨折、骨内の血管損傷、歯の周りの肉芽組織を取り除く処置が不十分な場合もあります。
全身的な原因・・・血液疾患、肝疾患、抗凝固剤や血小板剤の内服などがあります。

抜歯後に出血が止まらないからといって、強くうがいをするとかえって出血をうながしてしまったり、血餅(けっぺい)という傷口を塞ぐ役割をしてくれるかさぶたのようなものが取れてしまい、治癒を遅らせてしまう原因になってしまいます😱
清潔なガーゼなどを丸めて15分〜20分程度強く噛み、圧迫して止血を行います。それでも止まらない場合は、歯科医院での止血処置を受けてください。

また、前述した疾患や服薬しているものがあれば、必ずお申し出ください。

抜歯後の痛みが治まらない
通常、痛みは抜歯後24時間以内に軽減しますが、2日目以降にも痛みが続く場合は歯の破折片の残存、抜歯した付近の骨の亀裂、骨折、隣の歯の脱臼などが考えられますが、抜歯後3日以上経ってから痛みが強くなった場合は、抜歯後の細菌感染、ドライソケット(抜歯後の傷に血のかたまり(血餅)がなく、傷口が露出した状態になり、強い痛みがある状態)の可能性がありますので、歯科医院へ受診してください。
細菌感染の場合、抗生剤を服用していただき経過を見ます。

抜歯後の腫れが強くなった
乳歯や揺れているはの抜歯では、腫れはほとんど見られませんが、埋伏歯(歯肉に埋まった歯)や親知らず(特に下顎)の抜歯後では、抜歯後2〜4日で腫れが強くなることが多いですが、その後徐々に腫れは減少していき、1週間ほどでほとんどなくなります。
腫れは抜歯後の炎症により出現しますので、処方された化膿止め(抗生物質)などを必ず服用しましょう。
また、飲酒、長風呂、運動などは避け、冷やしたり温めたりすることもよくありません。

十分に注意をしていても、細菌感染、全身疾患により治癒が遅れる場合もあります。
もし抜歯後に何か変化などがある場合は、必ず歯科に受診しましょう!!