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抜歯後のよくある症状と注意・対応

抜歯後の出血が止まらない
抜歯後に少量の出血があるのは、特に問題ありません。しかし、いつまでも出血が続く場合は、局所的・全身的な原因によるものがあります。
局所的な原因・・・歯の周りの粘膜の損傷、歯の周囲骨の骨折、骨内の血管損傷、歯の周りの肉芽組織を取り除く処置が不十分な場合もあります。
全身的な原因・・・血液疾患、肝疾患、抗凝固剤や血小板剤の内服などがあります。

抜歯後に出血が止まらないからといって、強くうがいをするとかえって出血をうながしてしまったり、血餅(けっぺい)という傷口を塞ぐ役割をしてくれるかさぶたのようなものが取れてしまい、治癒を遅らせてしまう原因になってしまいます😱
清潔なガーゼなどを丸めて15分〜20分程度強く噛み、圧迫して止血を行います。それでも止まらない場合は、歯科医院での止血処置を受けてください。

また、前述した疾患や服薬しているものがあれば、必ずお申し出ください。

抜歯後の痛みが治まらない
通常、痛みは抜歯後24時間以内に軽減しますが、2日目以降にも痛みが続く場合は歯の破折片の残存、抜歯した付近の骨の亀裂、骨折、隣の歯の脱臼などが考えられますが、抜歯後3日以上経ってから痛みが強くなった場合は、抜歯後の細菌感染、ドライソケット(抜歯後の傷に血のかたまり(血餅)がなく、傷口が露出した状態になり、強い痛みがある状態)の可能性がありますので、歯科医院へ受診してください。
細菌感染の場合、抗生剤を服用していただき経過を見ます。

抜歯後の腫れが強くなった
乳歯や揺れているはの抜歯では、腫れはほとんど見られませんが、埋伏歯(歯肉に埋まった歯)や親知らず(特に下顎)の抜歯後では、抜歯後2〜4日で腫れが強くなることが多いですが、その後徐々に腫れは減少していき、1週間ほどでほとんどなくなります。
腫れは抜歯後の炎症により出現しますので、処方された化膿止め(抗生物質)などを必ず服用しましょう。
また、飲酒、長風呂、運動などは避け、冷やしたり温めたりすることもよくありません。

十分に注意をしていても、細菌感染、全身疾患により治癒が遅れる場合もあります。
もし抜歯後に何か変化などがある場合は、必ず歯科に受診しましょう!!


メンテナンスについて

人は45~75歳の30年間に、平均して約10本の歯を喪失するという統計があります。こうした歯の喪失を防ぐには、歯周組織を良好かつ長期間維持するための健康管理、つまりメンテナンスが大切です。

20190612

 

 

 

 

メンテナンスについては、歯が喪失する事態へ至るまでの歯周病に対する治療介入によって、段階的に分類ができます。

まず一つは、健康意識の高い患者様、歯は健全だが虫歯リスク、カリエスリスクの高い患者様に対する予防的メンテナンスです。ブラッシング指導によるプラークコントロールやオーバーブラッシングによる歯肉退縮などへの注意が必要になります。
そして、歯周外科を行って歯周組織の状態が改善した患者様に対する治療後メンテナンスの場合は、歯周病が再発しないように注意をすることが当然肝要です。

これらの他に、歯の生え際の溝、所謂歯周ポケットの健康的な数値は2mmですが、4~5mmと不安定で病状進行の不安が残る患者様に対する試行的メンテナンス。
そして、歯周病進行ハイリスクを抱えてはいるが積極的介入を希望しない・できないような患者様に対する妥協的メンテナンスがあります。
これらはメンテナンス間隔を1~3ヶ月と短く設定することで、病状の進行を極力回避することが目的です。

メンテナンスに移行しなかった患者様の喪失歯数が平均3.12本なのに対して、メンテナンス移行した患者様の喪失歯数は平均1.08本という事実もあり、メンテナンスがいかに重要であるかが分かります。

このようにメンテナンスの分類を患者様の口腔の状態や生活スタイル、考えを総合して判断しふるい分けすることでより良いプラークコントロールができます。また患者様ごとに歯科衛生士を担当制にすることも、より患者様個々の特性に見合った親密なケアができるので有効です。


歯と口の健康週間

6月4日から10日は歯と口の健康週間です。

目的は歯と口の健康に関する正しい知識の普及

啓発とともに歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、早期発見早期治療を徹底する

ことにより歯の寿命を延ばし健康の保持促進することです。

歯科疾患の早期発見早期治療の徹底です。

今年度の標語は「歯みがきで 丈夫な体の 基礎づくり」です。

歯みがきが体の基礎と言われてもわかりにくいかもしれませんが

虫歯や歯周病口の中だけの病気ではありません。

特に歯周病は全身の疾患にも関係しています。

歯と口は国民が健康に生きていく力を支えるものであり、歯科疾患の予防や歯と 口の健康を保持す

る取り組みを進める必要があることから、
生きる力を支える歯科口腔保健の推進」を重点目標とするとあります。

自分の歯でいつまでも美味しく食べるためには口の中の健康状態を知ることが大切です。

口の中の健康状態を知るためにも、歯科医院で定期的に検診をうけましょう。

ただ検診だけでは不十分で、プラスセルフケアは重要です。

歯を磨く、フロスを使うということを毎日行いましょう。

健康週間