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ー根面むし歯(ルートカリエス)の予防ー

 

根面むし歯(ルートカリエス)とは、歯の根の表面に出来るむし歯のことです。

通常、歯の根の部分は歯肉に覆われており、見えていません。
しかし、歯周病などで歯ぐきが下がり、歯の根の部分が露出する、
また、歯周ポケットが深く、お掃除しにくい環境になることで、
歯の表面に虫歯ができてしまうのです😢

 

歯は歯冠(しかん)という歯の頭の部分と、歯根(しこん)という根の部分に分かれており、
歯冠はエナメル質という強い構造で作られていますが、歯根はセメント質という薄いコーティングがあるだけです。
そのため、歯の根は虫歯に対しての抵抗力が弱い部分なのです。

また、歯根の表面に虫歯ができると、歯髄(歯の神経)までの距離が近く、虫歯が歯髄に届きやすいこと、できる場所が歯茎の下や近くで見つかりにくく見えにくいため、治療がしずらい虫歯です。
特に歯と歯の間などは、鏡で表面から見るだけでは見つけにくいため、虫歯が進行して被せ物が外れたり、そこから歯が折れてしまったりする事態を招きます😨

 

根面の虫歯も、やはり定期検診や歯科でのお掃除など、きめ細かな予防が重要です!!


セルフケアについて

今日はセルフケアについてお話しします。

食後に歯ブラシをする事は習慣化されていると思います。

そこにプラスで食後にシュガーレスガムを噛む事で刺激唾液がたっぷり分泌され、速やかにPHを上げ、溶け出したカルシウムを歯に戻す事が出来ます。

(※PHとは…唾液のpHは唾液中の炭酸塩やリン酸塩によって一定に保たれており、この機能をpH緩衝作用といいます。 しかし、何らかの原因によってpH緩衝作用が上手く働かずに口腔内が酸性に傾くと歯が溶けてむし歯になり易くなります。 とくにpHが5.5より低くなると脱灰(エナメル質が溶け出すこと)が起こり始めます。)

食後の口腔内酸性になり、歯からカルシウムが溶け出します。

唾液を沢山出し唾液が早く臨界PH以上に戻す事が虫歯や酸蝕症の予防に繋がります。

唾液の役目には『自浄作用』『緩衝作用』『再石灰化作用』などがあげられ、中でも虫歯が多い患者様特に重要なのが刺激唾液です。

咀嚼する事で分泌される刺激唾液は、咀嚼しない時の安静時唾液に比べて口腔内のPHを上げる重炭酸塩という成分が約10倍多く含まれており、分泌速度は6倍なので、緩衝作用は最大60倍(10×6)になります。

食後にシュガーレスガムを噛む事が習慣化になれば良いですね(^O^)‼️


歯と糖尿病

糖尿病など、お薬を飲まれてる方は薬の作用で唾液が減りやすいです。
それにより口が乾燥して汚れがつきやすくなります。
血流も悪くなると歯茎などの毛細血管が収縮し歯茎が痩せやすい状況になります。

糖尿病があると歯周病が進行しやすいことがあります。一方でこうして進行・重症化した歯周病が糖尿病の血糖管理に影響を与えること、したがって歯周病をきちんと治療すると糖尿病も改善するケースがあることが明らかになってきました。

最近では、糖尿病手帳に歯科受診の記録も記載できるようになりましたので、これを活用して歯科と医科の主治医との間で連携も取りやすくなっています。